私がこの業界に入った頃、洋服のコピー屋さんが密かな話題となった。
「洋服のコピー屋さん???」
売れている洋服を複製したり、今後ブランドが展開する売れそうな絵型からほぼ同じ洋服を作ってしまうのが洋服のコピー屋さんだ。
当時は問屋さんから仕入れて百貨店で売っていたが、消費が落ち込むとともに、小売店は売れる物だけを仕入れるようになった。
だが問屋に売れるものが常にあるかというと疑問だ。
そこでコピー屋さんの登場!!
ブランドで売れている洋服をコピー(複製)する。
小売店は目新しく新鮮味のある洋服、実績のある洋服を仕入れることができる。
このコピー屋さんから商品を仕入れたらどうかと上司に相談したところ
「売れ筋が分かる時は良いが、売れ筋が分からなくなった時彼らは困るだろう」
と返答された。
当時は売れ筋が分からなくなときってあるのかな??と疑問でした。
あれから5年後...
2010年、なかなか洋服が売れない時代に突入!
気候も不安定になり、先週売れていたものが今週ピタッと動かなくなってしまう。
コピー屋の商品は下代1,800〜2,200円がほとんどだ。
周りの業者は大幅に仕入下代を下げ、基本的には1,000円前後で仕入れている。
そうなると上代も下がる。
下代か高い為、百貨店で販売できる上代設定が4,900円になってしまうコピー屋の商品は、周りの業者に上下代価格ともについていけなくなってきた。
買い手も''これは売れる''と仕入れても、サイクルが早い現在の市場では一時しか儲からず、最後に残を赤字で売り切ることになる可能性が非常に高い。
2010年は他社から商品を借りて販売する委託販売と小ロット生産&仕入、仕入品番の限定化(品番数を増やさない)が必須である。
いかに委託で商品を貸してくれる会社を探し出せるか。
また自分の会社を信頼し協力してくれる会社が何社あるか。
日々の人脈づくりが重ねて必須となってくる。
2010年のアパレル業界は一社で突っ走るか、同業者とコラボレーションして乗り切るかのどっちかかもしれない。
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