安売りに走ってきた日本のアパレル市場だが安売りの終焉が見えてきた。
その前兆として安物が売れなくなってきている。
いままでは1000円、2000円と百貨店で出せば何でも売れていた。
しかし今ではただ単に安いだけではお客様は向いてくれなくなっいる。
【ケーススタディ〜池袋西武百貨店1階】
先日、池袋西武百貨店1階でロングダウンコートを1000円で100枚ほど販売した。当然完売。
意味があったのか???
【売上げに対する西武と業者の粗利】
￥1,000×100枚＝￥100,000
￥100,000×35％＝￥35,000←←西武粗利
￥100,000×65％＝￥65,000←←業者粗利
【業者・西武・お客様それぞれの感想】
業者:赤字でも早めに売り切る。
西武:周りのショップに迷惑がかかる。
お客様:1000円だから買ったけど、これは本当に良い物???
→業者・西武・お客様それぞれがマイナスしか残らない。
意味のある安売りとは、少なくともシャワー効果や噴水効果を期待してやるべきである。
【安売りの終焉】
さて安売りの次に起きる現象として、'お客様同士の差別化'だと考えられます。
値段が高いかわりに高品質・高素材が求められてくる。
この根拠として三菱伊勢丹の百貨店展開の移り変わりがある。
両者ともにセール連発をしてきましたが2010年9月11日にオープンした銀座三越は催事業者を完全撤退させ、安売りから高級志向へと変えた。
百貨店業界を牽引している大手がこうなると次々と他の百貨店も高級志向へと流れるでしょう。
催事業者はというと、衰退or自社ショップ運営or細々とネットショップで生きていくしかない。これらを見据えて、方向転換が急務となってくる。
【ターニングをし始めるべきである】
今、現状のみで判断するならば、超安く仕入れ、上代1,000円〜3,000円でちょこちょこ稼ぐしかない。
「どうしたら洋服が売れるのか」の答えは簡単で、「これが1,000円!?」「これが2,000円!?」という本当は高級な物を超鬼安で売ればお客様は買っていく。
これを繰り返せば売上げは伸びて行く。しかし先にも書いたが、これは'悪'なことである。
自分の首を絞めているといっても過言ではない。
手前の事を深く考えるよりも5手先の事を考えて、1〜3手は「確実な稼ぎ」、4〜5手先は「投資」をしていくことが5年後、10年後の「どうしたら洋服が売れるのか」の答えを導き出してくれるでしょう。
2010〜2012年の3年間が非常に重要なターニング期間になります。
この期間に貯蓄をしっかりとし、2013年のターニングポイントで切り替えられるようにビジネスプランの構築をしっかりしていきましょう。
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