【訳あり商品一覧】
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モノが売れないいま、百貨店はただ単に価格を下げるだけでは赤字に歯止めがかからなくなってきた。そこで注目しているのが「訳あり商品」だ。
たとえば、インターネットでは蟹の足や売れ残ったキャラメルなどをセットにして爆安で販売、スーパーでは割れたおせんべいや規格外の野菜を爆安で販売している。
つまり店側はどんな商品でも安く仕入れて安く売りたい(薄利多売)、消費者は「形が崩れていても味が美味し(若しくはソコソコ美味し)ければOK!その代わり格安にしてね」という安物買い志向。買い手と売り手の主張が一致した結果、この「訳あり商品市場」を生まれた。
大きくなってきている訳あり市場に百貨店も目を背けられなくなってきた。
先陣を切ってこの訳あり市場に乗り込んだのが「松屋」だ。自宅配送限定のカタログを作成し、そこに64点の訳あり品を販売した。
さて、おそらく他の百貨店は松屋の動向をみてからの参戦となるだろう。
なぜなら百貨店というのは信用第一だ。不良品だと認めてモノを売り出してしまえば、不良品も取り扱う店、不良品でも平気で売る店と見なされてしまう。
三越では万が一不良品が発生した場合の対応として、
「(略)三越としては、お客様に不良品を売るわけにはいきませんので...(略)」という対応をとっている。
一歩間違えば、取り返しのつかないことになる「訳あり商品市場」。薄利多売の面ではメリットがあるが、信用を落としてしまうリスクに立ち向かって参入するか、一番手が成功してから二番戦術を使って安全に進むか、よく考えたほうがよい未知な市場だといえる。
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